株の売買を行う際、デイトレード(短期保有)か中期、長期保有を目的にする売買なのかによって、取引手法や売買の方法をかえる必要があります。
今回は、中期から長期までの保有を考えている投資家が注意をしなくてはいけない点や「どうして株取引で利益をあげることが難しいのか」という根本的な部分をお話ししたいと考えています。
よく考えてみて下さい。本来株式は安く購入し、高く売却できでば利益がでる至極単純なものです。しかし、多くの投資家が高く購入し安く売却してしまう現実があります。
では、なぜこのような矛盾が生じてしまうのか?
それは、株式市場は景気の先行指標であり、現状の景気と時間的なかい離があることにほかなりません。下の図を見てください。
赤い線が株式市場の動向を示しており、青い点線が現実経済の景気動向を示しています。
一般的には、株式市場の動向と現実経済の動向はおよそ半年間のずれがあるといわれていますが、その時々のマーケットの効率性により変わってきます。効率性が高いと、ずれの期間が短くなりますし、効率性が悪いとずれの期間がながくなります。
まず①を見てください。
株式市場は天井を打って下降局面に入っているにもかかわらず、実体経済は上昇基調にあるので、株価は戻るという心理が働きます。また、押し目だと思いここで購入する投資家もいます。その場合、高値掴みの結果を招きます。
次に②を見てください。
実体経済がピークを迎えるころには、株式市場はだいぶ下落しています。このころには、高値で購入した方はだいぶ含み損がでているので売るに売れない状況です。また、実体経済がまだまだよくなると考える投資家は、ここでナンピン買いを入れてしまいます。
次に③を見てください。
①同様に株式市場はピークにも関わらず実体経済はまだまだ上昇局面にあるので、ここでも株価もまだまだ上昇するという心理が働き投資家は購入してしまいます。
そして④を見てください。
株式市場が底値のとき、高値で買った投資家は相当な損失をかかえています。しかも実体経済は下降局面にあり、まだまだ下落してしまうのではないかと不安になり、売却したほうが良いのではないかとの心理が働きます。実際ここで売却してしまう一般投資家は多いです。
次に⑤です。
実体経済が底を打つころには、株式市場はすでに上昇しています。ここでは、また株式市場も下落してくるかもしれないとの心理が働きなかなか購入できません。
最後に⑥です。
ここも⑤同様に株式市場は底を打って上昇局面に入りましたが、実体経済はまだ底を打っていないので、怖くて買えないという心理が働いてしまします。
実体経済のみに頼って株取引をおこなうと、しっぱいしてしまう可能性は高くなってしまいます。
実はある程度、いまの株式市場がどの場所にあるのか(①~⑥)を判断する方法があるのですが、それはまた別の機会にお話しできればと考えています。
最後になりますが、
このページは決して株取引を推奨するものではありません。実際に株式投資を行う際には、ご自身の判断でお願いいたします。
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